歯科医院経営の本質

歯科医院における、理想の経営者とは

歯科医院においての理想の経営者像とはどのようなものでしょうか?いろいろな意見がありますが、まずはスタッフの立場から見てみましょう。

  • 儲けは考えない。保険の範囲内で良質な医療を提供する。
  • スタッフに対して優しく接する
  • 下の意見をよく聞く
  • 誰にでも公平に接する

このような経営者の医院は間違いなく、行き詰まります。なぜなら経営者は常にスタッフのためになることだけを行っていてはならないからです。むしろスタッフのためになることばかりをやっていては医院運営が上手く行かないと言っても過言ではありません。

経営者は自分がスタッフとは立場が異なることを自覚し、こうした意見に共感を覚えてはいけません。

もし、どうしてもその自覚がもてないようなら、経営者をやめたほうがよいでしょう。

もちろんよい経営をしていくためには、スタッフに対して協力的になってもらう必要があるでしょう。

しかし、それと緊張感のない組織、緩い人間関係を構築することは別問題です。

誰しも他人からは嫌われたくありません。好かれたい、いい印象をもってもらいたい、と思うのが普通です。

しかし、経営者がスタッフからよく思われたいという感情は、組織において必要なものなのかどうか考えてみましょう。

経営者は毎日が真剣勝負です。自分の財産はもちろん、社会的な信用、人生の全てをかけて挑んでいます。そこに甘えや妥協は許されません。気を緩めれば、たちどころに「倒産」の恐怖が襲ってきます。

経営者は毎日がその恐怖との戦いの中にあります。だからこそ、経営者は身から厳しさがあふれ出ていなければなりません。それこそ近寄りがたい雰囲気をかもし出していていいのです。

「スタッフからよく思われたい」という感情は経営者には必要ありません。これは歯科医院組織でも同じです。

多くの院長先生はスタッフに問題があっても黙ってガマンするか、他のスタッフに教育を任せます。

院長先生が直接叱るという光景をあまり目にしません。これは多くの場合自分が嫌われたくないという気持ちが働くからです。

多少面倒であったとしても、「嫌われたくない」「舐められたくない」という気持ちを振り払うことが、経営者としての行動力、実行力であると言えます。

組織は人気投票の場ではありませんし、院長先生は人気者である必要はありません。従業員が自分の人生をゆだねることができる、頼れる人間であることが大切です。

経営者の優しさとは従業員への処遇に対する優しさです。「給料安くてごめんね」「労働時間が長くて申し訳ない」と声をかけるのは優しさではありません。

それはスタッフに歩み寄っているようでいて、スタッフに雇用の不安を与えかねません。理想の経営者の優しさとは、優しく声をかけることではなく、スタッフの処遇を見直す点にあるのです。

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