歯科医院経営の本質

歯科医院のビジョンを明確にする

経営者であれば少なくても1年間の経営計画ができていなければなりません。

つまり1年後の目標が明確にイメージできていなければならないということです。

1年後の経営数字はどうなっているか、1年後の自分はどうなっているか、について全く思い浮かばないとしたら、危険な状態にあると思って間違いありません。

1年後のイメージができないというのは、経営の舵取りができていないということになり、自分の組織がどうなるのか、どういう方向にいくのかはっきりしていないということなのです。

「そんなこと言ったって、先のことはどうなるか分からない」

「今日一日が精一杯で、とても1年後を考える余裕がない」などという方もいらっしゃるでしょう。

開業医であれば勤務医時代には感じたことのなかった不安を常に抱えていることかと思います。

しかし、1年先の姿を思い浮かべることができない経営者のもとで使われているスタッフは院長先生以上に不安になるでしょう。

取引先、院長先生のご家族も不安になるでしょう。

以前、ある歯科医院の院長先生に目標を尋ねたときに「目標なんか特にない」とスタッフの前で発言して、スタッフの顔色がものすごく不安げになったことを今でも鮮明に覚えています。

経営者(院長)が自分の組織の目標や、自分の目標をはっきりさせないということは、自分だけでなく、自分を取り巻く多くの人々を不幸にしてしまうということを自覚しなければなりません。経営者(院長)はたとえ一人親方だったとしても、周囲の多くの人に影響を与える立場にあるのです。歯科医院における院長先生の活動は自分一人では完結することができません。

歯科医院組織の将来のことをきちんと考えることは、院長先生にしかできません。

院長先生が歯科医院組織の将来を考えないということは、院長先生自身の人生をおろそかにするということです。

つまり経営的に考えると、院長先生が歯科医院の将来像を描かないまま診療行為に没頭することは、経営者(院長)の本当の仕事ではなく逃げなのです。

もちろん計画通りに売上が行かないときは、院長先生自らがどんどん診療しなければなりません。

ですが経営者の仕事の基本とは、作業を自らの手で行うのではなく、どうやって他人に行わせるかを考えることです。

それが今すぐということではなく、「いつか」と期限を設定することなのです。

そこに向けて少しずつ行動している院長先生と、そうでない院長先生は、組織力に大きな差が出てきます。

院長先生には経営者として、自分や自分の医院組織の将来像を明確にする必要があるのです。

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