歯科医院経営の本質

正しい劣等感を持つ

アドラー心理学では「正しい劣等感」とは「理想の自分になるために、まだ不足している部分があると自己認識している状態」という解釈をしています。正しい劣等感は自分との勝負であり、自己目標が明確にあるからこそ持てる感情です。
一方で「他人と比較して、自分が劣っていると解釈すること」は「間違った劣等感」だと戒めています。他の院長と自分の売上・評判・技術・学歴・地位・立地・能力などを比較して劣等感を抱くことがこれにあたります。

そして、それを言い訳に努力や成長を止めている行為を「コンプレックス」と定義しています。沢山の院長先生とお話をしてみて感じたのは、原因が家庭環境にある場合が少なくないということです。歯科医師は厳格な家庭に生まれ育った方が少なくなく、そういう方は父親、兄弟、学校のクラスメイトとの比較意識を強く持たれる傾向にあり、コンプレックスを感じやすくなります。

他者との勝ち負けを常に競っていては相手と良い関係を築くことは出来ません。受験やスポーツは常に勝つことが正義ですが、人とのコミュニケーションにおいて常に自分が勝とうとしていたのでは、敵と手下しかいなくなってしまいます。他者比較ではなく、自分がなりたい姿を明確に描くことが正しい劣等感を持つために大切です。

著者プロフィール

株式会社エイ・アイ・シー(ホワイトエッセンス本部)
代表取締役 坂本 佳昭

日本最大の審美歯科チェーン「ホワイトエッセンス」の創業者。最新刊「院長依存から脱却できる医院組織のつくり方」を始めとし、執筆、取材、講演実績多数。